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内分泌疾患

内分泌内科疾患とは?

主にホルモンの異常による病気などについて専門的な診断・治療を行います。糖尿病も、内分泌疾患に含まれます。他の疾患は大学病院などで行うイメージが強いですが、甲状腺の病気は潜在的な患者数が多く、診断や検査などで特殊な器械や設備が必要となることはごく一部であり、多くは当院だけで診断・治療が可能です。

他の病気は一度は大学病院などで診断・治療薬の調整をしたほうがいいものが多いですが、診断が確定した病気を当院で継続治療することは可能です。

内分泌疾患にみられる症状

疲労感:エネルギー代謝に関連するホルモンが影響を及ぼすため、患者は持続的な疲労感を経験することがあります。

体重変化: 体重増加または減少が見られることがあり、これは甲状腺疾患や糖尿病などの内分泌障害に関連しています。

多尿・尿減少: 糖尿病や副腎、下垂体疾患など、ホルモンバランスの異常によって尿量が増加または減少することがあります。

皮膚の変化: 皮膚の乾燥、色素沈着、にきび、または毛の増加など、内分泌障害に関連する皮膚の変化が見られることがあります。

手汗、ふるえ:甲状腺の病気によって、手汗や手のふるえをきたすことがあります。

血圧変動、動悸: 副腎ホルモンに関連する疾患は、血圧の変動を引き起こす可能性があります。

抑うつや不安症状:急激な感情変動: ホルモンの異常は感情に影響を与え症状が現れることがあります。

内分泌の主な病気

甲状腺疾患:甲状腺ホルモンは、体のアクセルのような役割をします。甲状腺ホルモンが過剰(甲状腺機能亢進症)となると、手汗を中心に汗をかきやすくなり、手のふるえ、性格がせっかちになる、動悸がする、体重減少(食べても太らない)といった症状をきたすことがあります。反対に甲状腺ホルモンが不足(甲状腺機能低下症)すると、夏なのに寒気がする、活気がなく疲れやすい、足がむくむ、抑うつ気分になるといった症状があります。

甲状腺機能亢進症:多くがバセドウ病という病気で、一部に橋本病による一過性の甲状腺機能亢進症や亜急性甲状腺炎という病気があります。バセドウ病はほとんどが内服薬で治療が可能ですが副作用をきたすことや効果が不十分なことがあり、そういった場合大学病院などで甲状腺手術や放射線治療が検討されます。

甲状腺機能低下症:多くが橋本病によるものです。必要に応じてホルモン内服治療をします。通常、甲状腺ホルモン分泌能は回復しないため内服治療は継続する必要があります。

下垂体、副腎疾患:脳にある下垂体というところから、甲状腺や副腎に対して必要なホルモン分泌を促す命令ホルモンが出ます。このため、下垂体、副腎いずれに異常をきたしても必要なホルモンが適切に分泌されなくなります。異常の部位を見分けるためにはホルモン負荷試験や頭・お腹などのMRI検査が必要になることが多く、当院では採血でホルモンを測定して、さらなる精密検査が必要と判断した場合、大学病院等に紹介させていただきます。

代表的な病気を紹介します。

原発性アルドステロン症:血圧を調整するアルドステロンというホルモンが過剰に分泌されます。この病気に気づかず、高血圧の治療を受けている方は少なくないといわれており、特に50歳前に薬が必要なレベルの高血圧を指摘された方は治療開始前に血中アルドステロン測定がすすめられます(治療開始後だと一部の血圧の薬を変更・中止したうえでないと正確な検査ができなくなります)。

褐色細胞腫:血圧や脈拍数を上げるカテコラミンというホルモンが過剰に分泌されます。高血圧に加えて動悸がある場合にアルドステロンと一緒に採血で測定し、高値の場合精査を検討します。

副腎不全:生きるために必要なコルチゾールという副腎ホルモンが十分分泌できなくなる病気です。活気がなかったり、糖尿病薬を使っていないのに低血糖をきたしたりする場合などに疑います。他のホルモンと同様に普段のホルモンが低い場合に精密検査を検討しますが、下垂体に原因がある場合と副腎に原因がある場合にふるい分ける必要があります。

クッシング症候群:コルチゾールが過剰に分泌され、高血糖、高血圧などを呈することで気づくことがあります。他に、顔が丸くなる(ムーンフェイス)、腕は細いが太っている(中心性肥満、野牛肩)、今までなかった体毛が背中などに生えてくるなど身体的症状が出るとされていますが、そういった症状があってもホルモンが正常なこともあれば、症状なしにホルモンが高いこともあるためあくまで診断の参考にしかなりません。副腎不全と同様に、下垂体に原因がある場合と副腎に原因がある場合にふるい分ける必要があります。

尿崩症:下垂体から分泌するバソプレシンというホルモンの分泌低下でおこります。尿量が一日10リットルを超えるためそれを補うために多飲を要します。途中から発症するならば気づくことは多いですが、子供のころから発症している場合、多量の飲水が習慣となっていることが多く病院に相談されないことも多いとされています。単にホルモン分泌が低下している場合と、下垂体腫瘍によるものがあるため精密検査を行った上でバソプレシンの補充療法を生涯継続する必要があります。